リオ五輪代表はよくやった。最大の敗因はサッカー協会の姿勢にある (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

 キャプテンのMF遠藤航は「(前の2試合が)もったいないという言い方もできるのかもしれないが、そのちょっとした差が世界との差」と言い、こう語る。

「ナイジェリア戦は5失点が痛かったし、コロンビア戦も勝ち切れた試合だったという思いはあるが、諦めずに4点取ったり、2点ビハインドになってから追いついたり、自分たちがやれることはやれたのかなと思う。それでも決勝トーナメントに進めなかった。それが、自分たちの今の実力なのかなというのはすごく感じる。もっとやれたと思う部分はもちろんあるが、これが自分たちの実力ということを受け入れなければいけない」

 まさに、そのとおりだろう。

 今大会直前に行なわれたブラジル戦にしても、5月に出場したトゥーロン国際大会にしても、そこでチームは世界の厳しさを知った。アジアとは異なるレベルのサッカーがあることを知った。しっかりと危機感を持って、そこで経験したことを五輪本大会で生かしていれば、もしかしたらナイジェリア戦やコロンビア戦も違う結果につながっていたかもしれない。

 だが、彼らはそれができなかった。つまりは、そのことも含めて「自分たちの今の実力」だ。残念ながら、グループリーグ敗退は妥当な結果だったと認めるしかない。

 とはいえ、五輪代表としての最後の試合を終えた今思うのは、選手たちは非常によくやったということだ。チームを率いた手倉森誠監督も「なかば実力以上のことをしてくれたんじゃないか」と話していたが、その言葉には大いにうなずけるところがある。

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