U-23代表、スポルティングにドロー。存在感示した新メンバーは? (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

「この世代を成長させたいという気持ちでやっている」という手倉森監督は、オーバーエイジ枠の採用に関して現時点では明言をしていない。「対戦国が決まってから決める」と話しているのはおそらく本音だろう。

 今回の遠征では、新たに選ばれたメンバーが、五輪アジア予選メンバーを脅かすことの難しさが目に付いた。それでも五輪代表入りへ向けて、彼らの意識は高い。初招集となったファン・ウェルメスケルケン・際は「何をレベルアップすればいいかが明確になった」と、収穫を口にする。呼ばれなければわからないことは多い。

 中島、南野、豊川雄太、久保などが控える攻撃的MF、FWでは、金森健志、鎌田大地も存在感を発揮した。金森はメキシコ戦で、鎌田はスポルティング戦で途中出場。流れを変え、起点を作ることに成功した。中盤とのやりとりもスムーズで、可能性を感じさせた。こうした新たな選手の出現こそ、チームを向上させるはずだ。

 手倉森監督は「オーバーエイジは使わないとはいっていない。が、使うといわせないようにやってくれている」と、そんな選手たちを評価している。五輪代表チーム作りは最終段階の悩ましい時期にさしかかっている。そんなことが見て取れた2戦だった。

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