シリア戦大勝に隠れた病巣。日本はなぜ格下に「撃ち合い」を演じるのか
シリアに5得点の日本代表。ゴールを喜ぶ本田圭佑、香川真司ら ハリルホジッチはよく喋る。同じ話を繰り返しする癖もある。シリア戦後、開口一番、クチにした言葉は「スペクタクル」。「美しい夜」「美しい勝利」だとも。一方で話が進むにつれ、不満足な箇所を口にした。
「攻撃をしている時に、組織をどうオーガナイズするか。ブロックをいかにして維持するか」「ゲームをコントロールできるか。チームとしてのクオリティはそこに出るが、まだそのレベルには達していない」
喜んだり反省したり。この日は、このパターンを繰り返した。満足と不満を同程度、5対5の関係で抱えているような様子だった。8対2で不満が勝るこちらより甘い評価とはいえ、5−0の勝利をそのまま称えるメディアの見出しに比べれば、かなり厳しめだ。
本音はどうだろう。もし4対6、3対7で不満が勝っていたとしても、監督自身はそれを言い出すことができない。監督は当事者。批評家ではない。うまくいかない原因を世間は、監督の指導力不足と捉えるからだ。そうした中でハリルホジッチは、喜んだり反省したり5対5の表情を覗かせた。実際は4対6、3対7なんだろうな、と推測できる。
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