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シリア戦大勝に隠れた病巣。日本はなぜ格下に「撃ち合い」を演じるのか (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 これがリオ五輪を目指すU−23チームの病状ならまだ理解できる。経験不足で済まされるが、A代表の場合はそうはいかない。シリア戦でスタメンを飾ったベストメンバーとおぼしき選手の平均年齢は27.6歳。このままのメンバーで2018年W杯本番を迎えれば29歳になる。前回ブラジルW杯の平均が26.7歳なので、これは世界的にも珍しい大ベテランチームになる。海外組の数も少なくない。にもかかわらず、頭の悪い子供じみた非効率的なサッカーをする。本田圭佑、香川真司を中心に。

「俺が俺が」に走りがちなサッカー。チームのためと言いながら、自分が活躍することをいの一番に考えてしまっているように見えるサッカー。選手本位の、監督の指導力を感じさせないサッカー。そう言われても仕方がないものに成り下がっている。

 繰り返すが、ハリルホジッチはそのことに気がついている。問題箇所は把握している。それだけに重症だ。気がついていながら全く改善することができていないのだから。お医者さんとしての能力は低いと言わざるを得ない。

 ブラジルW杯から1年9カ月経過したが、進歩なし。その流れで2018年W杯アジア最終予選に向かおうとしている日本の異常さに、もう少し多くの人が気づくべきだと僕は思う。

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