【サッカーU-23】ファン・ウェルメス
ケルケン・際が語る「異色の経歴」 (4ページ目)
今季、開幕序盤から指揮を執るハリー・ファン・デン・ハム監督は、際がオランダに来たころもドルトレヒトを率いていた。際は、「ファン・デン・ハム監督にはトラウマがあるんです」とこぼしたことがある。
ドルトレヒトと契約した最初、際の実力をチェックして、「君はまずリザーブチームに行って、オランダのサッカーに慣れること。そしてフィジカルを作ること」と通告したのが、ファン・デン・ハム監督だった。しかし、今季からドルトレヒトに復帰したファン・デン・ハム監督は際の成長ぶりを見て、「君の成長はサプライズだ」と驚き、やがて際のポリバレント性に気づき、右サイドバック、左サイドバック、アンカー、攻撃的MF、左サイドハーフ、右ウイングと、さまざまなポジションで起用するようになったのである。最近では、左サイドハーフでプレーした次の試合でサイドバックをこなした。
「今、ドルトレヒトは調子が良くないから(オランダ2部・19チーム中16位/3月14日時点)、監督もシステムを変更したり、メンバーを変えたりと、いろいろやらないといけない。その策のひとつとして、監督は僕のポジションを変えてくる」
日本でも、オランダでも、無名だったフットボーラーが、U-23日本代表としてリオ五輪出場を狙えるチャンスを得た。
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