本田圭佑はFWかMFか?ハリルジャパンの得点力不足を考える (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by AFLO

 ハリルホジッチ監督は岡崎に対して、冗談で「お前はレスターではボランチかセンターバックだな」と話したそうだが、要するにレスターでの岡崎は点取り屋というより、守備的な役割を強く求められているという意味だ。にもかかわらず指揮官は、「日本代表ではまったく違う役割を要求する。ゴールを取ってほしい」と岡崎に期待する。

 また、本田についても「ミランでは右MFとしてプレーしているが、日本代表では違う役割を求める。FWとして、ミランよりももっと高いポジションでプレーすることになる」と話している。

 こうした言葉からうかがえるのは、彼らふたりに対する指揮官の絶大な信頼だ。これまでの経験、実績、そして現在のプレー環境を考えても、彼らが絶対的な存在であるのは当然のことだろう。

 しかし、裏を返せば、ヨーロッパでは守備的な役割をより多く求められるFWを、日本代表では攻撃の主軸に据えなければならないということであり、所属クラブとは異なる役割を与えてでも、彼らに頼らなければならないということだ。

 ケガから復帰したばかりの清武弘嗣にしても、ハリルホジッチ監督は早々に招集することに若干の逡巡があったようだが、「彼のクオリティが必要」と結局は選出に至った。

 ボールを支配し、相手を押し込む展開に持ち込みながらも、なかなか得点が奪えない。そんな試合が続く状況に、ハリルホジッチ監督の焦りや苛立ちが少なからずうかがえる。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る