アフガニスタン戦大勝にも構造的問題。香川真司頼みでいいのか (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 本田圭佑を1トップ下に使ったザッケローニ采配の方が、パスは高い位置で円滑に回りやすかった。岡崎の1トップ下は本田の方が適任だと思うが、香川はサイドでのプレーが苦手だ。4-2-3-1上では1トップ下以外、こなせない。もし香川を1トップ下に置くなら、岡崎ではない誰か(例えば大迫勇也とか)を1トップに起用した方が、攻撃は円滑になる。

 カンボジアに苦戦した理由はまさにそれ。保持率の割に決定機が少なかったことは「シンジーシンジ」の関係に一因があった。このアフガニスタン戦の立ち上がりも、そうした傾向は見え隠れした。香川のミドルシュートがネットに吸い込まれたのは、苦戦の二文字が頭をかすめたその直後だった。

 前半は2-0。それでも日本はまだ苦戦の渦中にいた。その呪縛から解放されたのは、香川が左足で決めた3点目あたりからになる。アフガニスタンのモチベーションは、このゴールを機に急速に低下した。

 構造的な問題を、問題の一因となっている当事者本人が解決した。これをどう表現すべきか。「香川さまさま」なのだけれど、彼の調子に頼るサッカーでは、日本の行く末は危ない。

 もちろん苦戦の原因は、構造的な問題以外にも潜んでいる。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る