東アジアカップ2連敗。チャレンジなでしこに必要な「本当の強さ」とは (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 だからといって韓国も、決してベストパフォーマンスではなかった。初戦の中国戦を制したメンバーを中心に中2日で登場。エースであるチ・ソヨンの不在もあって、前半は韓国らしい力強さがなかった。それでも、耐えて決めるべきときにしっかりと決めきる。これこそ、ワールドカップで育んだ“強さ”に他ならない。この強さが“チャレンジなでしこ”には備わっていなかった。それを痛感していたのが川村だった。

「それぞれがあと1回動き直すだけで違ってくる。それができるのが“なでしこジャパン”の主力選手たち。そこに入り込むにはもっともっと走らないとダメ」と自戒を込めた悔しさをにじませ、「3連敗は絶対にしちゃいけない……」と、自らに言い聞かせるように何度も繰り返した。

 結果も欲しいが、新たな可能性もテストしたい。しかし2連敗を喫し、“貴重な経験”などと言っていられなくなった。「(中国戦は)現状のベストメンバーで何が何でも勝ちに行く」と意気込んだ指揮官。結果が何よりもこの選手たちを成長させると確信している。

「勝つ味というものを得て、初めて自分たちがやった表現がプラスになる」(佐々木監督)。

 となれば、奇しくも、2連敗したことで最終戦のスタメンに今回のテスト要素の色濃かった選手起用の一定の評価が出てくるということだ。もちろん、最終戦の展開によってその評価が乱高下することは大いにあり得るし、むしろ望むところ。唯一の中3日のインターバルがあるこの期間でどこまで修正してくるか。このままでは終われない――チャレンジなでしこたちの奮起に期待したい。

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