3年半ぶりの代表復活。柏木陽介こそ「ポスト遠藤」の大本命 (4ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 今年12月で28歳になる柏木は、3年後のW杯のときにはすでに30代に入っている。本来であれば、もっと早くに「ポスト遠藤」と目される存在であるべき選手であり、その点で言えば、柏木の起用は世代交代の流れには逆行する。

 とはいえ、最近の柏木を見ていると、サッカーのツボを心得た円熟味を感じる。ポジションがボランチに定まったことも、またひとつ開眼した要因となっているのだろう。

 遠藤にしても、長く日本代表でプレイしていたと言っても、主力として定着したのはイビチャ・オシム監督時代から。つまり、彼が27、28歳になってからのことである。それを考えれば、柏木が今から遠藤の後を追ったとしても何ら不思議はない。

 東アジアカップで柏木に求められることは、はっきりしている。ハリルホジッチ監督の言葉を借りれば、「自分の価値を見せ、私の信頼を勝ち取らなければならない」のだ。

 予備登録メンバー50名の中に自分の名前があることを聞いたときから、「(代表候補として)見てもらえていることがうれしい」と話していた柏木。日本代表に対する思いは人一倍強く、このチャンスを逃すまいという気持ちは並々ならぬものがあるはずだ。

 雌伏のときを過ごしたレフティは、およそ3年半ぶりに訪れたチャンスに腕を撫している。

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