3年半ぶりの代表復活。柏木陽介こそ「ポスト遠藤」の大本命 (3ページ目)
日本代表は、まさかのスコアレスドローに終わった先のシンガポール戦(ロシアW杯アジア2次予選)でも、攻撃が中央に偏り、縦に急ぐあまり突破口を開けなかった。以前なら遠藤保仁(ガンバ大阪)が巧みにパスを散らし、緩急をつけていたが、このベテラン・プレイメイカーを失った日本代表は、どうしても攻撃が単調になりがちだ。やはり試合の流れを読み、攻撃のリズムに変化をつけられる存在がピッチ上に必要となる。
「ポスト遠藤」としては、若い柴崎岳(鹿島アントラーズ)らが注目を集めるが、短いパスを出し入れしながら、攻撃の二手先、三手先を考えることのできる柏木は、その役割にうってつけ。これまでは、代表定着のチャンスを生かせずにきたが、組み立てのセンスという点で「ポスト遠藤」の資格は十分にある。
そのうえ、ハリルホジッチ監督が「運動量が豊富で左利き。我々の中には左利きが少ない」と語り、その希少価値を認めているように、柏木は遠藤にはない魅力も兼ね備えている。
左利きから放たれるキックの精度は非常に高く、浦和でも彼が蹴るCKから数多くの得点が生まれている。現在の日本代表にはプレースキッカーが不足しており、CKやFKの場面でも重宝するはずだ。
指揮官が求める球際の激しさという部分では物足りなさが残るが、運動量は豊富で労を惜しまず走れる選手だけに、現地・中国の「気温40度、湿度60~70%。グラウンドはかなりひどい」(ハリルホジッチ監督)と予想される厳しい条件は腕の見せどころ。むしろ、大きなアピールチャンスとなるだろう。
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