日本代表メンバー発表。永井謙佑、今野泰幸はなぜ外れたのか (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 中西祐介/アフロスポーツ●写真

「センターバックは受け身のポジション。空中戦一つでも弱さがあると、チームの弱点としてつけ込まれる」

 これは欧州や南米のスカウティングの定石である。今野はトップレベルのセンターバックとしては高さもインテンシティも足りなかった。

 しかしザッケローニと今野を責めるのは的外れかもしれない。日本代表のセンターバックの人材難は、周知の事実。吉田麻也(サウサンプトン)はそのレベルに達しているものの、スピードのあるアタッカーに露骨な弱さを見せることがあり、パートナーを選ぶ。その点、森重真人(FC東京)が第一人者なのだろうが、ブラジルW杯ではその役目を果たせなかった。

 日本人センターバックの人材難の理由は、体格的問題がまず挙げられる。

 170cm台のセンターバックでは、単純に高さで勝てない。ブラジルW杯で上位に進出したチームを見ても、身長170cm台のセンターバックがレギュラーというケースは稀(たとえいても、チリ代表のガリー・メデルのように肉体が屈強で、3バックの一角)。攻撃の選手は自分の持ち味を出すことで活路を得られるが、守備の選手は宿命的に受け身に回ることを余儀なくされ、高さの欠如はチームの弱点となってしまう。

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