アルガルベ杯まさかの敗戦スタート。ここから這い上がれるか

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 4日のアルガルベ杯(ポルトガル)初戦で、ワールドカップイヤーの初陣となる日本は、デンマークを相手に、1-2で敗れた。この1敗は今一度自らを省みるべき、手痛い1敗となった。

デンマーク戦後、一様に暗い表情だったなでしこジャパンデンマーク戦後、一様に暗い表情だったなでしこジャパン ベストメンバーを揃えた初戦。GKの山根恵里奈(ジェフ市原・千葉レディース)以外は2011年ドイツワールドカップ、2012年ロンドンオリンピック経験者。言うなれば、なでしこジャパンの代名詞とも言える面々だ。デンマークは佐々木則夫監督就任以降、4戦負けなしと分のいい相手。組織力もあり、個も立つデンマークはまさにワールドカップ初戦の対戦相手・スイスを連想させるチームだ。選手たちは、勝って勢いをつけたいのはもとより、手の内すべてをさらけ出し、今の自分たちの力を試そうとしていた。意図が反映された勝利を誰もが信じていた。

 番狂わせは開始直後に訪れた。2分、ゴール前に攻め込まれた日本。いきなりS・トロルスゴールにシュートを許す。岩清水梓(日テレ・ベレーザ)がラインぎりぎりでかき出したかに見えたが判定はゴール。描いてきたイメージを表現する前に、まさかの失点であっという間にビハインドゲームに塗り替えられてしまった。

 10分、宮間あや(湯郷ベル)が右サイドの安藤梢(1.FFCフランクフルト)の走り込みを見越してタテの深い位置へスルーパスを配球。惜しくも収めることはできなかったが、初めてバイタルエリアで相手に脅威を感じさせる攻撃だった。

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