アルガルベ杯まさかの敗戦スタート。ここから這い上がれるか

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 後半に入っては、“速い展開”の限界を引き上げながら勝負するしか、活路を見いだせなかった。深刻なのは、その仕掛けに振り落されていったのがデンマークよりも味方の選手の方が早かったということだ。

 デンマークの実力も確かな向上を見せていた。中盤のコンパクトさにも隙がなかったし、ハイプレッシャーも効果的。そしてカウンターはものの見事に日本の守備陣を引き裂いた。けれど、デンマークはW杯カナダ大会の出場権を手にしていない。つまりは、ヨーロッパの精鋭たちはそれ以上にレベルアップしているということだ。この試合は日本と今後対戦する国々に多くのヒントを与えることになり、敗戦は決して楽観できるものではないのである。

 ただ、3年間それぞれに個を磨いてきたこのメンバーで“強化”を図ったのは昨年のカナダ遠征初戦の1戦のみ。今回も全員が揃ったのは開幕直前のことだ。最大の敗因要素をなったズレが生じることも当然と言えば当然。結果を出すこと、課題を得ること、自分たちの現在地を知ることがこの初戦のテーマであったならば、最後のふたつだけは手にしたと言える。

「教訓になったのではなくて、(教訓に)しなければならない。今でよかった……」と熊谷が表情なく声にすれば、「悔しさを表現しろと言われても言葉にならない。でもどん底から這い上がるのが自分たちだから……」と宮間も言葉を絞り出した。

 気持ちの切り替えも戦いのひとつ。中1日で迎えるポルトガル戦はターンオーバーを公言している佐々木監督。ベンチを温めていた選手にとっては大きなチャンスとなる。

 ここからいかにして立て直すのか、なでしこジャパンの進化を見ることができるか――チームとしての奮起に期待する。

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