アルガルベ杯直前。なでしこに「レギュラー争い」の緊張感 (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 本大会まで3カ月となり、選手たちもかつてない危機感と集中力を持ってこのアルガルベカップに臨む。大会前の国内合宿ではオフ明けにも関わらず、上々の仕上がりを見せた選手たちに指揮官は国内最終日にオフをプレゼント。現地入りの翌日には、二日目とは思えないほど、徹底的にゲーム形式のトレーニングを行ない、攻守における確認を行なった。

 それもそのはず。翌日には完全非公開でアメリカとのトレーニングマッチが組まれていたのである。スコアも内容もアメリカの意向で非公開。日本はノーゴールに終わったというが、選手たちに悲観している様子はない。むしろ手応えを掴んでいるようだ。守備の要である岩清水梓(日テレ・ベレーザ)はこう話す。

「まだまだツメていかないといけないところはあるけど、今の段階で自分たちのできることはやれたと思う。スピードとかパワーのあるチームと対戦するのは久々なんで、アルガルベカップが始まる前のタイミングでアメリカと試合できたのはよかった」

 アメリカとのトレーニングマッチは、前日に合流したばかりの大儀見優季(VfLヴォルフスブルク)が後半から出場したものの、ほぼ国内組で戦った。その結果の手応えであれば、昨年1年をかけて国内組を中心としたメンバーで国際大会を戦った経験値が生かされているのだろう。2014年は試練の年でもあったが、復活しつつあるようだ。

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