鈴木大輔が回顧。「今年一番悔しかったブラジル戦」
アギーレジャパンとの遭遇~世界へ挑む男たち・鈴木大輔(後編)
2014年10月28日、千葉県柏市。鈴木大輔は駅前に建つビルにある和牛ステーキ店に入った。愛用するキャップを脱ぎ、艶(つや)のある髪をひとかきし、ゆったりと席に座る。メニューをしばし真剣に眺め、ビーフシチューと迷いつつ、ランチセットのステーキ丼を大盛りでオーダーした。
(前編はこちら)
10月、日本代表合宿に参加した鈴木大輔 大きな窓の下には柏の町が広がり、太陽はまだ天高くにあった。
「今は76kgなんですけど、80kgまで増やそうかなと思っているんですよ。体をでかくしても、今と同じように動けるように」
鈴木はそう言って背筋を伸ばした。
その2日前、仙台に遠征したベガルタ仙台戦では警告を受け、累積により次節は出場停止だった。チームは後半アディショナルタイムの得点で劇的な勝利をしていたが、個人的には苦さが残っていた。2試合前の鹿島アントラーズ戦で2枚のカードを提示されて退場を言い渡され、1試合出場停止が明けたばかりだった。
鈴木はセンターバックとして闘志を表に出すタイプながら、クリーンファイトに特長がある。過去3シーズン、リーグ戦では1シーズンで1枚、4枚、2枚と、平均約2枚の警告だった。これは守備能力の高さの証明だろう。
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