アギーレ八百長問題はスペインでどう報じられているか
裁判所への告発で新段階を迎えた八百長問題。ただ、震源地スペインと日本では、その報道に温度差があるという。スペイン在住のジャーナリスト、山本孔一氏がレポートする。
日本代表監督を巻き込んだスペインサッカーの八百長問題。12月15日、スペイン検察当局は、ハビエル・アギーレ監督を含む関係者41人とクラブのサラゴサを同事件の参考人とし、バレンシア裁判所に告発した。今後、本格的な捜査が行なわれることになるが、現時点ではただの調査対象者でしかないはずのアギーレに対して、日本のいくつかの報道はあまりにも先走りしすぎているのではないだろうか。
渦中のハビエル・アギーレ日本代表監督 スペイン国内ではこの八百長問題、全ては司法の動きに合わせて報道されている。
実際、同事件に関連したと言われ、サラゴサ会長から使途不明金の受け取りにサインをしたことが明らかにされたアトレティコ・マドリードのMFガビも、喧噪に巻き込まれることなく落ち着いてプレイすることができている。逆にガビのパフォーマンスが落ちた時には、騒動に巻き込まれたことが原因ではないかと、選手を心配する記事もあったほどだ。
告発を受けた翌16日付けの新聞各紙を見ても、MARCA紙の一面はクラブW杯、AS紙では自社主催のアワードを紹介しており、八百長関連はページをめくらなければ見当たらない。MARCAを見ていくと、捜査対象となった前述のガビに関して、クリスマスに子供たちにおもちゃをプレゼントするという記事があった。サラゴサに関しては、ポポビッチが監督になり、メンバーのやる気を取り戻したというタイトルがうたれていた。
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