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なでしこの敗因。埋まらなかったW杯組と若手の差

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

9月特集 アジア大会2014の発見!(24)

 アジア大会2連覇のかかった日本は北朝鮮との決勝に臨んだ。今大会のベストメンバーで臨んだが、気迫のこもった北朝鮮を前に1-3で完敗。銀メダルに終わった。

 立ち上がりの北朝鮮の猛攻は予想していた。「プレッシャーが弱まる時間帯がある」(阪口夢穂/日テレ・ベレーザ)まで、ここは耐えなければならなかった。しかし前半14分、フリーキックからキム・ユンミに決められ、今大会初失点を喫する。

終了のホイッスルが響くと、悔しさを滲ませた阪口夢穂終了のホイッスルが響くと、悔しさを滲ませた阪口夢穂 北朝鮮の戦略は非常にシンプルだ。球際を攻め、揺らいだところを奪って、カウンター。北朝鮮の伝統的ともいえるスタイルだ。北朝鮮の目には、日本の左サイドは軟弱と映ったらしい。徹底的に左サイドが狙われた。岩清水梓(日テレ・ベレーザ)らがなんとか体を投げ出してしのぐものの、主導権はすっかり北朝鮮の手に落ちてしまった。それでも、反撃の糸口をつかんでいる選手もいた。宮間あや(湯郷)、阪口の両ボランチ、右サイドの川澄奈穂美(INAC神戸)、有吉佐織(日テレ・ベレーザ)だ。

 有吉は「ナホ(川澄)に入ったときに、相手が全然来ないから、そこは私が上がるのではなく、ナホがクロスなり、シュートなりに入った方が生きる」と判断していた。

 43分にはその有吉のアーリークロスに川澄が頭でコースを変えたが、髙瀬愛実(INAC神戸)にはあと一歩届かなかった。が、この速い展開に北朝鮮のDF陣はついてくることができなかった。そこが突きどころだった。先出の選手たちも共通意識として持っていたが、チームが選んだ後半の戦術はタテへの速い攻撃だった。たらればのナンセンスを承知の上で、あと20分、右サイドを軸にした攻撃を見てみたかった。

 後半、巻き返そうと先手を取りに行った日本だったが、逆に今度はDF裏へのロングボール1本でラ・ウンシムに決められて2点目を献上してしまう。宮間のゴールで1点を返すも、残り時間わずかとなった後半42分、日本のセットプレイのクリアボールからカウンターへつなげられて3失点目。あっという間のカウンター攻撃だった。

「ケアしなければいけなかった」と悔やむのは岩清水。しかし、マークの受け渡ししかり、日本の守備には細かい決め事がある。いくら準備をしても、試合をこなさなければ連係を生み出すことはできない。強豪を撃破しながら勝ち進んできた北朝鮮とのコントラストがはっきりと出た守備力だった。

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