アギーレジャパン、4年後に生き残る選手は誰か (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama shigeki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 05~06シーズンのスペインリーグで、弱小チームのオサスナをCL圏内である4位に導いたときのサッカーはまさにこれ。その時、右サイドを担当していたのは、ブラジル系のバルドという好選手だったが、そのイメージと本田の姿を、僕はつい重ね合わせて見ていた。

 ベネズエラ戦。サイドは異なるが、岡崎の左からの折り返しを、柴崎が巧く右足に引っかけてゴールした2点目は、まさにアギーレらしいゴールと言えた。

 監督には、強豪チームを任せると力を発揮するタイプと、そうではないチームを上位に引っ張り上げるのが得意なタイプと、大きく2つに別れるが、アギーレは典型的な後者だ。日本の立ち位置に相応しい監督と言っていい。問題は周り、すなわち、メディア、ファンに弱者、チャレンジャーとしての自覚があるかどうかだ。

 日本は弱い。だからどうする。そうした視点に立たない限り、アギーレのやり方は、違和感たっぷりに見えるだろう。アギーレと日本のサッカーとの相性は良いはずだが、気質との相性となると、疑問を感じてしまうのだ。

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