スタメン予想が楽しみになった新生日本代表の船出 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by AFLO SPORT

 しかし、自分の不見識を棚に上げて言うわけではないが、だからこそ正真正銘のサプライズ招集なのだ。こうした選手がこのチャンスを生かして日本代表に定着すればおもしろい。ブラジルワールドカップでの惨敗で、日本代表の周囲に淀んだ空気が漂うなか、こうした新戦力がかき回してくれることを期待したい。

 また、彼らが活躍することで周囲に与える影響も見逃せない。

 皆川にしても、坂井にしても、彼らの出場試合数から考えて、多くのプレイがアギーレ監督をはじめとする代表スタッフの目に触れたとは考えにくい。おそらく彼らはワンチャンスを生かして代表入りをモノにしたに違いないのだ。

 だとすれば、同じことは他の選手にも起こりうる。いつ、誰が、どこで見ているか分からない。どの試合の、どのプレイが決め手となって日本代表に選ばれるか分からないのだ。その刺激たるや相当なものだろう。

 アギーレ色は予想以上に鮮明に表れていた。主力メンバーが固定され、メンバー選考にもマンネリの傾向が強かったザッケローニ前監督時代とは違う。そんな期待を高める意味で、初陣のメンバー発表としては悪くない。

 ブラジルワールドカップからの延長線上に新生・日本代表をとらえる報道陣の質問に対し、アギーレ監督は「これはゼロから始まる新しいプロジェクトである」ことを繰り返し強調して、こう語る。

「ワールドカップが終わって時間も経っており、ここからのスタートになる。(今回発表された)この23人のなかで最も状態のいい選手、また(ウルグアイ戦前の)3回のトレーニングセッションで私のやりたいことを理解する選手たちをスタメンに選びたい」

 果たして初招集組がウルグアイ戦のスタメンに名を連ねることにでもなれば、さらなるサプライズ。新たな船出に、いっそ、そんな日本代表が見てみたい。

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