コロンビアに惨敗。だが日本の方向性は間違っていない (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 高橋学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 この試合もまた、日本はミスが多かった。

 先制のPKを許した場面にしても、チーム全体の考えが統一されず中途半端な状態でボールを失ったことが発端となっている。

 3試合で計6失点。結果、守備の弱さがクローズアップされがちだが、そこばかりに気を取られては問題の本質を見誤る。最後の4失点目にしても、DF吉田麻也でなくとも、あの状況でロドリゲスを止めるのは簡単なことではなかったはずだ。

 むしろ問題だったのは、イージーミスを繰り返し、あまりに簡単にボールを失いすぎる選手たちのプレーだろう。奪われるはずのないところでボールを奪われれば、守備への準備はできておらず、危険なカウンターを浴びるのは当然だ。

 ましてザッケローニ監督が就任して以来、日本代表が目指してきたのは、ボールポゼッションの時間を長くし、試合の主導権を握るサッカーではなかったのか。目指すサッカーのベースとなる部分でこうもミスが多発したのでは、惨敗も無理はなかった。

 ザッケローニ監督は「ポゼッションし、ボールを失ったらみんなで取り戻す。この4年間、その考えを基にプレーしてきた」とし、「その戦略を基にいい結果を残してきた」とも語った。

 すなわち、バランスよくポゼッションを進めることがボールを失ったときの守備の準備を整えることにもなる。

 ザッケローニ監督が「(攻撃時の)選手間の距離が遠くなったことで守備に問題が起きた」と話したように、ポゼッションそのもののバランスを崩してしまえば、その代償としてゴールが遠のくばかりか、守備が崩壊しても仕方がない。指揮官が語る。

「もっとボールを支配すべきだった。それがチームの考えであり、それを基に戦ってきた。もっと早くパスし、適切な距離で(失ったボールを)取り戻し、また攻める。そうすべきだったが、できなかった」

 そしてまた、「もっと大胆に攻撃しろ、と選手を勇気づけた」と語った指揮官は、「私はこのチームがどのようなプレーができるかを知っている。もっとできたと確信している」と、今大会の内容が不本意なものであったことを悔しがった。

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