他国の選手にあって日本代表にないもの。ギリシャ戦全選手採点 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by JMPA

MF

長谷部誠 5

第1戦のコートジボワール戦は後半9分、この日は前半の45分間でベンチに下がった。およそ半分しか出場できる状態にない選手に、スピーディなパスワークの操縦桿役を求めるのは無理な注文と言うものだ。

山口蛍 4.5
 
前にボールを運ぶ力がない。勇気もない。ただボールを捌いているだけ。相手と戦っている感じがしないのだ。相手から見れば怖い選手では全くない。守備的MF(ボランチ)とは何なのか、基本的なところから考え直すべき。

岡崎慎司 4.5
 
相手の右サイドバック、トロシディスの攻撃参加を防ぐために、通常の右ではなく左で起用された。守備力が弱く、気がつけば中央に入り込んでしまう香川がスタメンを外れた理由でもある。その任務を岡崎は忠実に遂行したが、コートジボワール戦同様、攻撃はサッパリ。ブンデスリーガでの活躍がウソのような不出来だった。

本田圭佑 5
 
ホールを捌いているだけの、怖さのない選手になってしまった。ボールを受けるや、対峙するマーカーを睨みつけ、ドリブルで突っかかっていくその動作は実に絵になったが、それは今や昔の話になった。やはりこの1年間の落ち込みは目に余る。だが、チームは依然として「本田ジャパン」のまま。チームが失速した一番の原因だと言える。

大久保嘉人 5

晴れの先発出場。大いに期待されたが不発に終わる。最も良くなかったのはポジションワークだ。彼にも、香川同様中央に入ってしまう癖があるため、4-2-3-1の3の右は、多くの時間、空白区だった。サッカーは陣取り合戦。陣、すなわちオープンスペースを活用した方が、優位に試合を進めることができるが、香川、大久保にはそうした概念が希薄だ。教育を受けていない感じがする。後半12分以降、その両者が4-2-3-1の3の両サイドを務めることになったが、彼らは本能のままに動いていた。ギリシャ、コートジボワールのみならず、観戦したその他のW杯出場国にもこの手のタイプはいない。香川がマンチェスター・ユナイテッドで輝けない理由、かつて大久保がマジョルカでサッパリ振るわなかった大きな理由はここにある。
FW

大迫勇也 5.5
 
前半19分と21分に思い切りの良いシュートを放つなど、第1戦よりは積極的で好感が持てた。にもかかわらず後半12分で交代。1トップが岡崎になり、本田もいつものように低い位置に下がってしまったため、ボールを高い位置で受ける選手がいなくなった。日本は以降、ますます出たとこ勝負のサッカーになった。

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