2014.06.17

あの日、齋藤学の冬のドイツ移籍になぜ反対したのか

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by JMPA

 ブラジルW杯の大会公式パスを持つ記者の数は、開催国ブラジルが最多らしい。だが、2番手、3番手を争うのは日本だという。マーケットとしての価値も認められてのことだろうが、記者の数で言えば、日本はサッカー大国の部類に入る。

イトゥで行なわれたザッケローニ監督の記者会見に集まった取材陣 特筆すべきはフリーランスの記者の数だろう。これは世界で最も多く、例えば世界王者スペインのフリーランス記者はいわゆる大御所レベル、片手で数えられるほどしかいない。日本は発行されているサッカー雑誌の数が非常に多く、ウェブ情報も充実している。そこで、海外在住の通信員も含めたフリーランスの人間たちが幅広く仕事を得られているわけだ。

 では、フリーランスのスポーツライターはどのような取材活動をしているのか?

 そう尋ねられる機会は少なくないが、一般論で説明するのは難しい。傭兵とも言えるフリーランスには、いくつもの形があるからだ。

 僕に関して言えば、選手や関係者と深くコミットするタイプの取材者だろう。選手の人物ノンフィクションでは、関心を抱いた選手の性格や行動や思想にシンクロする部分を見つける場合が多い。その個と個の戦いにまず憧れ、次に敬意を表すると同時に批評も叱咤もし、その物語を紡いでいく。もちろん、そのやり方が正解かどうかはわからない。