チーム作りの失敗が露わに。コートジボワール戦全選手採点 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by JMPA

吉田麻也 5
バックラインに心臓部があるチームは強そうに見えるが、このチームにはそれがない。今野泰幸がベンチに下がった中で、リーダーになるべきは吉田だが、現状ではそこまでの器に達していない。ただ守っているだけの守備陣ではW杯では勝てない。
長友佑都 5
体格で劣る分を俊敏さでカバーできなかった。2失点に繋がる2本のクロスは、長友の守備力不足ではないが、やられてしまった印象は強い。
MF
山口蛍 5
孤軍奮闘。良く動き回り火消し役を果たしたが、それ以上のモノは発揮できなかった。守備的MFとして90分出場可能な唯一の選手なのに、チーム内のヒエラルキーは高くない。そこにこのチームの構造的な問題がある。
長谷部誠 5
「あの時間での交替は予定通り」とは、ザッケローニの試合後のコメントだが、後半9分までしかプレイできない選手を先発させなければいけないところにこそ問題がある。
岡崎慎司 4,5 
専守防衛。今季のブンデスリーガで15点取った選手にはまったく見えなかった。
本田圭佑 5
先制点を決めた瞬間は、さすが本田!と思わせたが、後半になると失速。コートジボワールに逆転され、日本が反撃する番に回った時、もはや頼りになる存在ではなくなっていた。そんな彼をフルタイム出場させなければいけないところにもこのチームの大きな問題がある。監督が従来の価値観に縛られ、現状を見誤っているといわざるを得ないのだ。
香川真司 3.5
選手の中では最大の戦犯。本田が満足な状態になければ、次にチームをリードするのは香川であるはず。2人は日本の両エースであるはずだが、香川にはその自覚がないようだ。何よりプレイにひたむきさがない。で、肝心なところで大きなミスを犯す。同点ゴールを奪われたのは香川のミスの直後。彼の軽率なプレイが、相手を勢いづかせる結果になった。奪われたら即、追いかける。この基本ができていない選手がピッチに立っていると、見る側の応援精神は失せるのだ。
FW
大迫勇也 4.5 
ゴールに向かっていく推進力が足りない。1トップなのだから、もっと勇敢にプレイすべし。

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