2014.05.07

W杯メンバー発表直前。ザッケローニは工藤壮人の何を買っているのか

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 長田洋平/アフロスポーツ●写真 photo by Nagata Youhei/AFLO SPORTS

短期集中連載・世界に挑む男たち~工藤壮人(1)

 2014年3月、千葉県柏市。愛車のランドクルーザーを駅前の駐車場に停めると、彼はぶらりと喫茶店に入った。テーブル席はほとんど埋まっていたが、一角だけ空きがあった。昭和の趣のある雑多な店で、カフェオレを頼んだ彼はすぐにその存在をなじませた。

「こういう店、嫌いじゃないですね」

 くつろいだ表情の彼は、普段から気取ったところがない。

W杯メンバー入りの期待がかかる工藤壮人(柏レイソル) その性格は一字で表すなら、「野」になるだろうか。 自然のままの広い平らな大地は、なんにでも成り代われる。地に足がついていて、浮ついたところがない。平常心で己の心の揺れと向き合える。その落ち着きは、24歳という若さに似合わないものがある。

 その性格は、プレイヤーとしての工藤にも投影されている。

「技術的なミスよりも、判断を誤ったときに自分が情けなくなります。でも、たとえうまくいかなくとも、ポジティブにプレイを続けるようにしていますよ。試合中のプレイはどんどん過ぎていくので、振り返っているよりも、一瞬一瞬の感覚に集中しているというか。多少うまくいかなくても、びびって引くんじゃなくて、チャレンジし続けることが大事なのかなと」