南野、柴崎......。代表合宿招集の若武者が、日本サッカーを活性化する! (2ページ目)
柴崎は謙虚に「多くのことを学びたい。(日本代表という)そういうところに行くことで、より刺激を受けられる」と話していたが、堂々たるプレイぶりは、精鋭が集うキャンプでも際立っていた。
その他にも柴崎と同じ21歳のDF昌子源(鹿島アントラーズ)や、22歳のFW原口元気(浦和レッズ)、23歳のFW工藤壮人(柏レイソル)など、若い選手が集められた今回の代表候補キャンプ。
工藤が「みんな気持ちが入っていた。何かインパクトを残そうと、ピリッとした雰囲気だった」と話していたように、ブラジル行きのラストチャンスという状況にも硬くなることなく、選手たちはハツラツとしたプレイをザッケローニ監督に披露した。
実際のところ、彼らにブラジル行きのチャンスがどれほど残されているのかは分からない。今回の代表候補キャンプが「合格者なしのオーディション」に終わる可能性も十分にある。
それでも、彼らがこうやって目の前にあるラストチャンスとつかもうと意欲的に取り組むことは、必ず日本サッカー全体の活性化にもつながるはずである。原口は言う。
「吸収できるものは吸収して帰りたい。この合宿だけで(ワールドカップのメンバーが)決まるわけじゃないと思うし、(メンバー発表まで)あと1カ月あるので、ここで吸収したものをJリーグで生かしていけたらいい」
また、ようやく今季、鹿島でレギュラーポジションをつかんだばかりの昌子は、「(メンバー入りの)チャンスがないわけではない」とする一方で、「ブラジルの後(の2018年W杯ロシア大会)も、年齢的にはチャンスがある。こうして呼んでもらえたことは自信になる」と語り、"その先"へも視線を向けていた。
もちろん、彼らのなかからブラジルで活躍する「ラッキーボーイ」が出てくるなら、これほど痛快なことはないし、そうなることに期待もしたい。
だが、結果的にブラジル行きの夢がかなわなかったとしても、こうしたキャンプが若手を刺激する場となり、Jリーグへの注目度を高めるきっかけとなるなら、悪いことではないはずだ。
ともすると海外組ばかりに目を奪われがちだが、Jリーグにも確実に若い芽は育っている。あらためてそれを実感させてくれた、日本代表候補キャンプだったのではないだろうか。
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