【日本代表】酒井宏樹「ドイツは、想像以上にレベルが高かった」 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 益田佑一●撮影 photo by Masuda Yuichi

 攻撃を組み立てていくためには、周囲との連係が不可欠。レイソルではレアンドロ・ドミンゲスと絶妙なコンビプレイを披露し、日本代表でも清武と息の合ったプレイを見せている。そういう関係をハノーファーで築くのは、難しいのだろうか。

「基本的に、僕は(周囲と)コンビネーションを築くまでに時間がかかるタイプ。レイソルのときもそうでした。最初はレアンドロとも息が合わなくて、『なんでここに(パスを)出すんだよ』とか思っていましたし、彼のプレイやパスを出すタイミングを理解するのに時間がかかった。今も周りの選手のパスのタイミング、ダイレクトなのか、タメてくるのかとか、足もとなのか、スペースなのかとか、そういう特徴がわかれば、コンビネーションでチャンスを作っていけると思います。ただ、そのためにはやはり、自分はもっと試合に出ないといけないんですよ」
 チーム内の連係をはじめ、攻守において課題が山積みの酒井。しかし彼は、まったく手も足も出ないという感覚でいるわけではない。

「この半年間は、プロ1年目のような感覚でしたね。でも、寄せとか間合いとか、これからさらに慣れていけば大丈夫です。幸い12月に出場した試合(欧州リーグのレバンテ戦)では、ボールタッチとか、スライディングとか、すごくポジティブにできて、チームメイトからも『良かったよ』と言ってもらったんです。良くなる兆しが見えてきたし、こういう試合を多くこなしていけば、もっと出場機会も増えると思うんです。もちろん、そのための努力は惜しまない。自分もこれまで以上にやらないといけないと思っています」

 ハノーファーでようやく手応えをつかみつつある酒井。自分の良さをコンスタントに発揮するまでにはもう少し時間がかかるかもしれないが、やるべきことが明確に見えている酒井にとっては、慌てる必要などないのだ。

(つづく)

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