【日本代表】福田×名波が提唱する「ザックジャパン、残り1年半の強化策」 (2ページ目)

  • 小室 功●取材・文 text by Komuro Isao
  • 益田佑一●撮影 photo by Masuda Yuihci

名波 本人も普段(川崎フロンターレで)プレイしているボランチのほうがしっくりくると言っているし、代表チームの紅白戦を見ると、控えチームでボランチをやっていることもある。

福田 ザッケローニ監督からすると、ボランチにしたときの憲剛の守備力が気になるのかな? 攻守のバランスを考えたら、遠藤と憲剛を並べることは考えにくいけれど、長谷部と憲剛、細貝(萌)と憲剛のコンビなら支障ない。

名波 遠藤と比べて極端に守備力が劣るのか、といったら、そんなことはないからね。

――本田選手をボランチに下げるという選択は考えられませんか?

福田 う~ん、どうだろう。それはないんじゃないかな。まず、本人が納得しないと思う。やりたくないポジションを無理にやらせても、本人にとっても、チームにとってもプラスにならない。

名波 ブラジルW杯での本田のボランチはないだろうけど、年齢的に次の2018年大会だったらわからないよ。ひとつ下がったところからチームをコントロールするという役割は、本田の良さを生かせるかもしれない。

――ザッケローニ監督は、前田選手に代えて本田選手を1トップに起用しますが、この采配についてはどう見ていますか?

名波 深みを作るという点では、前田のほうが優れているから、本田だとその辺で物足りなさを感じる。もし本田を前に上げるなら、香川や岡崎(慎司)をトップに起用したほうがいいと思う。

福田「とにかく高い位置で起点を作ってほしい」という役割を本田に与えれば、プレイそのものが変わってくると思うんだよね。そこを徹底しないと、ボールを受けるために下がってきてしまうからさ。それが実現できれば、自分は、本田の1トップ起用はひとつの選択肢になり得ると思うんだけどね。

名波 日本のように、ボールを動かしながら攻撃したいチームは、前で起点が作れないときついし、動きのリアクションがないとうまく崩せない。だから、同じ距離間のトライアングルを作るだけじゃなく、どこかで、誰かが動き出して、トラアングルの距離間や形を変えることが大事だと思うんですよ。最前線の選手に求められるのはそこで、動きのリアクションのイメージを共有できる選手でないと、チームとしてもなかなかうまく機能しないと思う。例えば、1トップの前田と2列目の岡崎のコンビネーションを見ると、どちらかがファーサイドに逃げたら、もうひとりがニアに入っていくとか、お互いにスペースを作ったり、埋めたりとか、そういう関係性がものすごくいい。その辺のことを彼らに聞くと、ほとんど何も話をしていないらしい。つまり、あうんの呼吸。ふたりともリアクション能力が高いから成り立つのだと思うし、前線にはそういう選手たちがいるのが理想なんじゃないかな。

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