【日本代表】「史上最強」と呼ばれるザックジャパン。実は心配の種ばかり (4ページ目)

  • photo by Masuda Yuichi

――そうすると今回も、前回のW杯本番前のように、急にチームが停滞してしまう可能性があるのでしょうか。

杉山 そこは、あえて原(博実・技術委員長)さんに注文をつけたいよ。ザッケローニ監督は初めてのW杯予選だけど、原さんは当事者として前回のことを見てきたわけだから。ならば、ザッケローニ監督に「前回こういう失敗があったから、オレは心配だ」と、進言しないと。

浅田 ザッケローニ監督は初めてのW杯予選だし、我々以上にアジアのことを知らないから、最後まで安心できないっていう意識がすごく強い。だから、ある程度メンバーを固定してでも、とにかく早く(予選を)勝ち抜いてしまいたいんだと思う。

杉山 それはしょうがないんだけど、それにしてもチーム内のヒエラルキー、選手の優先順位が明確に出来上がっているのは問題だよね。さっきも言ったけど、W杯で5試合戦うことを考えたら、12人目、13人目の選手まで決めておけばいいわけじゃない。18人目、19人目の選手も、試合に出ている選手とある程度同じレベルで戦えないといけない。それを試す時間は、これまでにいくらでもあった。もし、予選で新たな選手を試すのが怖いなら、この間のブラジル戦やフランス戦はどうなのかって話にもなる。

渡辺
 W杯開幕まで3カ月くらいになると、控えの選手は「どうせオレは試合に出られねぇから」という気持ちになってしまう。それは、チームの士気に関わる。

杉山
 だって僕らでさえ、誰が試合に出るのかわかっちゃうわけだからね。自分の立ち位置というものを敏感に察する選手がどう思っているのか、心配になるよ。チームに変化がなくなると、どんどん期待感も下がって、(W杯前の)最後の半年くらいで急失速……。それって、日本の過去2回のW杯のパターンだよ。僕には、今の状況がそれと同じように見えて仕方がない。だからこそ、原さんにしっかり仕事をしてもらいたいよ。

(つづく)

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