【名波浩の視点】ザックジャパンが世界で勝つために必要な『5箇条』
ブラジルに0-4で敗れた日本。あらゆる面で違いを見せつけられた。 日本代表の欧州遠征は1勝1敗に終わった。
初戦のフランス戦は、完全なるアウェーで、最悪のピッチ状態だった。そのため、日本の選手たちはおそらく自分たちのパスサッカーができないことを試合前から覚悟していたと思う。そして、実際に守備的なサッカーになった。その戦いぶりを見て「南アフリカW杯時代と変わらない」と言った人もいたけれども、それは違う。あのサンドニ(スタッド・ド・フランス)の荒れたピッチでプレイするのは、本当に苦労する。その感覚はやった者にしかわからないことで、どんな強豪国でも思いどおりにプレイさせてもらえない。2001年に日本が0-5で完敗した1カ月後、当時ルイ・コスタやフィーゴらタレント豊富なポルトガルでも0-4で敗れているのが、その証拠だろう。
そうした状況の中で、日本はGK川島永嗣を中心によく凌いで、後半のチャンスを生かして結果を出した。それだけで、十分に成長を感じさせてくれた。
そのフランス戦と違って、ブラジル戦では非常にピッチが良かった。ゆえに、日本らしいパスサッカーを展開できた。立ち上がりの入り方も申し分なかったと思う。しかしその分、前がかりになり過ぎて、ブラジルのカウンターの格好の餌食になってしまった。
内容も決して悪くなかったが、ブラジルとは極端に違うことが多かった。その差が結果に表れたと思う。
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プロフィール
名波 浩 (ななみ・ひろし)
1972年11月28日生まれ。静岡県藤枝市出身。1995年、ジュビロ磐田に入団し一時代を築く。日本代表では10番を背負い初のW杯出場に貢献した。引退後は、ジュビロ磐田のアドバイザーを務めるとともに、テレビ朝日『やべっちF.C.』などサッカー解説者として活躍