2012.05.06

【なでしこ】ルーキー・京川舞は、
なぜ4試合連続ゴールにも笑顔がないのか?

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko
  • photo by Hayakusa Noriko

開幕から4試合連続ゴールで得点ランクトップタイのルーキー・京川舞
 なでしこリーグが開幕して約1カ月。第4節まで毎試合ゴールを重ねて、得点は5。INAC神戸レオネッサの大型新人・京川舞の現在までの成績である。一見、上々のなでしこリーグデビューともいえる数字だ。しかし、実情はそうではない。

 めまい症から復帰した澤穂希をはじめ、大野忍、川澄奈穂美らなでしこジャパンの面々が勢揃いするスター軍団の仲間入りをした京川。彼女も高校女子サッカー界のトップ選手として活躍し、今年日本で開催されるU-20女子ワールドカップでも絶対的なエースである。世の中はなでしこブームの真っ只中。京川の存在は注目度NO.1だ。プレッシャーは覚悟の上だった。

 チーム始動の前に行なわれた自主トレを経て、京川が正式にチームに加わったのは、1月末からのスペイン・バルセロナ遠征だった。バルセロナレディースとの親善試合の後半から澤と交代して入った京川は、得点こそ叶わなかったが、激しいプレスをかいくぐって何度も前線への飛び出しにトライし、自身の可能性をアピールした。

 そこから2カ月間、ハイペースな神戸のトレーニングに京川は必死に食らいついてきた。彼女に与えられたポジションは4-1-4-1という布陣の中でのワントップ。ゴールゲッターとして、得点力が求められる。

 レギュラーを確保して迎えた開幕。初ゴールを決めた京川が安堵とともに語ったのは「合わせているゴールだけではダメ」という言葉だった。これだけの選手がそろっているチームだ。圧倒的な攻撃力で、ゲームを組み立ててもらえる。あとは、決めるだけという状況にあることは本人も承知している。

 だからこそ、「合わせるだけではダメ」なのだ。最初は周りのスピードに置いていかれた。裏への飛び出しには自信があった京川も、高校生と”なでしこ”との差を痛感する。まずは、周りに合わせることに取り組んだ。