【日本代表】木村和司が申す「W杯最終予選、勝敗のカギは香川にあり」
ドルトムントのブンデスリーガ連覇に貢献した香川真司。W杯最終予選での活躍も期待される。木村和司の我がまま申す vol.4
昨季まで横浜F・マリノスの指揮官を務めていた木村和司氏が、日本サッカー界のさらなる発展のために、大いにモノ申していく同連載。今回は、かつて日本代表の『10番』を背負って奮闘していた木村氏が、まもなく行なわれるW杯最終予選で日本の中心選手となるであろう、香川真司にエールを送る。
ほうじゃが、今季も多くの日本人プレイヤーが欧州各国のリーグで活躍したのぉ。なかでも、いちばん脚光を浴びたのは、やはりドルトムントの香川真司だろうな。
負傷して後半戦を棒に振った昨季と違って、今季はシーズンを通して奮闘。通算13ゴールを記録し、チームのブンデスリーガ連覇に大きく貢献した。これまで欧州でプレイした日本人としては、最も活躍した選手と言えるんじゃないだろうか。
なにしろ、このオフにはプレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(マンU)からオファーがあったぐらいだからな。今や、プレミアリーグは世界最高峰の舞台。そのトップクラブに誘われるなんて、本当に大したもんだよ。実際、どのクラブに移籍するかはわからないけど、香川がプレミアでプレイする姿を想像するだけでもワクワクするし、楽しみが広がる。
ブンデスリーガでも結果を出したように、香川ならば、プレミアでも十分に通用すると思う。高い技術を誇り、なかでもボールコントロールは秀逸。トラップ、パス、ドリブル、シュート、すべてのレベルが高く、非常にバランスがいい。そのうえで、点が取れる、ということが何より大きい。
「ゴールへの嗅覚」とよく言われるが、香川はまさにその感覚を持ち合わせている。空いたスペースにスッと入り込んだり、味方がパスを出しやすいところにポジションを取ったり、ボールの流れを予測した動きが抜群。だから、ゴールが奪えるポジションに必ずいる。点を取れる選手というのは、みんなそう。逆に、チェルシーのフェルナンド・トーレスなんか、今季はゴールを奪えずに苦しんでいた。問題は点が取れるところにいなかったこと。どうでもいいところでプレイしていて、肝心なところで顔を出して来られない。結局、点が取れる選手というのは、"そこ"にいるもので、今季の香川はまさにそうだった。
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