【なでしこジャパン】飛び級招集の京川舞の奮闘。「チャレンジして自分をアピールしたい」 (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko
  • photo by Hayakusa Noriko

「バテちゃって......」と京川も振り返る後半、神戸のハイペースに食らいついていた常盤木学園は徐々に苦しい状況になったが、京川を中心にスペースを突きながら神戸ゴールに迫る場面も見られた。

 結果は、日本女子サッカーのトップに君臨する神戸が、南山千明のヘッドでの一発と川澄奈穂美のダメ押しゴールも決まって3-1で勝利。

「自分たちがプレイすることでファンの人達が足を運んでくれて、それが復興の助けになるなら嬉しいです。私たちは自分たちのサッカーを見てもらうことが仕事なので」と川澄はこのチャリティマッチの意義について語った。

 また、このチャリティマッチにはもうひとつ大きな意味合いがあった。常盤木学園の京川と仲田にとって、常盤木学園のユニフォームで戦う最後の試合であり、対戦相手はこれからともに戦う仲間、そしてライバルにもなるINAC神戸。ふたりにとって想い入れのある試合だったのだ。

 当初の予定では、前半に常盤木学園の主力として出場したふたりが、後半は神戸の赤いユニフォームを着るはずだったが、前半の常盤木学園の奮闘もあり、3年間慣れ親しんだ緑のユニフォームで最後まで戦い抜いた。

 そしてこのチャリティマッチ翌日の2月20日、2月29日から行なわれるアルガルベカップ(ポルトガル)を戦うなでしこジャパンメンバーが発表されると、その中に京川の名前があった。飛び級での大抜擢だ。

「まだまだミスはあるし、ツメも甘いんです。でも、失敗してもいいからチャレンジして自分をアピールしたいと思います」と、落ち着いて言葉を選びながらも「1点は取りたい!」と闘志を見せた京川。

 今回のポルトガル遠征には21名が選出されたが、ロンドン五輪では3名が削られる。厳しいポジション争いは必至だ。このチャンスを生かすことができるか、京川の奮闘に期待したい。

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