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【プロ野球】「阪神は自前で育て、巨人はFAで集めてきた」 広岡達朗が指摘する両軍の"決定的な差"「その歪みが今、表れている」 (2ページ目)

  • 松永多佳倫●文 text by Takarin Matsunaga

【チームが低迷する理由は育成と教育の欠如】

 育成と勝利を同時に求められるのが巨人の宿命であり、思いきって若手を起用し続けることが難しい事情もあるだろう。それを考慮しても、選手が持つ潜在能力を最大限に引き出せる環境をつくるのが首脳陣の役目だ。

「今の巨人と阪神の決定的な違いは、生え抜きで、バリバリの主力と言える選手が巨人にはひとりもいないことだ。それが今の結果にも表れている。チームの軸になる選手がいないんだから、一度崩れたら立て直しが利かなくなるのは、最初からわかりきっていたことだ。まあ、その軸をつくるために、代理監督の橋上(秀樹)も試行錯誤しているんだろうけどな」

 来季以降、泉口友汰と浦田を不動のレギュラーへと鍛え上げ、石塚、平山功太、佐々木俊輔らを一人前の主力へと育てられるか。それが、新生ジャイアンツの未来を左右する大きなカギとなる。

「そもそも、チームが弱くなる根本的な原因は、育成と教育の欠如にほかならん。勝つためには準備が必要で、踏むべき順序がある。まずこれを身につけ、次にこれを身につける。その積み重ねがあって、初めて勝利につながる。それが本来の順序なんだ。監督を代えただけで、すぐに勝てると思うこと自体が間違っている。

 問題は、選手が失敗した時に、コーチが何も言わないことだ。その現状を本当にわかっているのか。失敗した時こそ、何が悪かったのかを見極め、的確に指導する。それが育成というものだ。負けた時こそ、本当の原因が見えてくる。結果が悪ければ、『自分たちに何か欠けているものがあるんじゃないか』と考える。そういう姿勢を持てば、おのずとチームの状態も変わってくる」

 首脳陣は"仲良しクラブ"ではなく、厳しさを持って選手を鍛え上げる。そのうえで、確かな戦術と選手を見極める眼力があれば、多少の時間はかかっても、チーム力は着実に上がっていくはずだと広岡は説く。

「阪神だって、佐藤(輝明)がメジャーに行けば、今年のようにはいかんだろう。森下(翔太)もひとりで打線を背負うことになれば、今まで以上にプレッシャーがかかってくる。かつて掛布やバースがいなくなったあと、岡田が苦しんだのと同じようにな」

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