【プロ野球】掛布雅之が指摘する「今の阪神に足りないもの」 1985年のチームよりもつながりを感じない (2ページ目)
【ポジションを固定することで生まれる"呼吸"】
――今シーズンの阪神打線の6番は、木浪聖也選手や小幡竜平選手、ケガで離脱中の前川右京選手、ルーキーの立石正広選手ら多くのバッターが起用されています。一方、1985年はほとんどの試合で佐野仙好選手が6番を務めていました。
掛布雅之(以下:掛布) 佐野さんは勝負強かったですからね。なぜ6番が大切かというと、クリーンナップがいいほど、塁にランナーがいる状態で6番に打席が回ることが多くなるんです。3番のバース、4番の自分、5番のオカ(岡田彰布の愛称)の出塁率が4割以上あったので、佐野さんはチャンスで打席に立つことが多かったですね。
――佐野さんが、たまったランナーを還していた印象があります。
掛布 打点が多いとか少ないとかではなく、還した印象が強いということ。それが大切なんですよ。引き分けでもリーグ優勝が決まる試合の9回に、同点になる犠牲フライを打ったのも佐野さんでしたし、ここぞという場面で打ってくれました。だから、優勝するためには6番バッターがポイントになると思います。
それと、7番に固定されていた平田勝男の存在も大きかったです。内野の要であるショートの守備力が本当にすごかったですから。落合博満さんが率いていた中日もそうでしたよね。セカンドが荒木雅博、ショートが井端弘和とセンターラインがしっかりしていました。85年はセカンドがオカ、ショートが平田とセンターラインに守る力があった。外野にも守備力の高い北村照文と吉竹春樹がいましたしね。
――守りの面で、今の阪神をどう見ていますか?
掛布 最近、試合を解説させてもらっていて現地で見ていますが、守っている時に内野のつながりというか、"呼吸"を感じないんです。一番の要因は、ショートが固定できていないからですよ。固定できれば、セカンドの中野拓夢との会話があるはずです。固定できないと、会話が中野からの一方通行になりますよね。
セカンドのオカ、ショートの平田、サードの自分のなかで、年齢は僕が一番上で平田が一番下ですが、平田はレギュラーだから僕に対してもいろいろ言うことができました。平田の守備力の高さは僕もオカも認めていましたし、そうなると三遊間でも、二遊間でも呼吸ができてくるわけです。
ファーストのバースとセカンドのオカの間でも呼吸がありましたね。一番遠い僕とバースでも、僕がワンバウンドの送球をした時にバースがいい位置で捕ってくれたら「ありがとう」と言うし、エラーした時は怒ったりもした。そういう声かけもそうですし、気持ちのつながりを感じていたんです。
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