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【WBC2026】大谷翔平が追求する「てっぺん」とは? 9年前の言葉に隠された打撃哲学と「究極のバッティング」 (2ページ目)

  • 佐々木亨●文 text by Toru Sasaki

「現時点で自分のバッティングがどれくらいのパーセンテージまで来ているのかがわからないし、なにをもって100%と思えるのかもわからない。ただ、バッターは3割を打ってすごいと言われますけど、やっぱり一度のミスもなく、打率10割の時にはじめて100%と思えるんじゃないですかね」

 理想とする姿を求め、その目的地に向かってただひたすら突き進む。100%と思えるバッティングを探し続ける。当時は「単純に余分な動きを省いた」という打撃フォーム。「それもまだまだベストな形ではないので、徐々に変えていかないといけないと思っている」とも語っていた。

【全部の要素を持っているバッターを目指したい】

 必ずしもフルスイングじゃなくてもいい。たとえば、100%の力で豪快なホームランを打てるのは魅力的だが、大谷は打者としてのあらゆる可能性を考え、その時々の理想像を追求しようとしていた。

「広角に打てるなら広角に打つ。うまいバッティングができるなら、うまいバッティングをすることに越したことはないと思っているので、僕は全部の要素を持っているバッターを目指したい。そういう選手は、見ていてワクワクするんじゃないかなあと思うんです。あくまでも理想は、何も考えずに来た球をホームランにする。それが究極というか、一番いいバッターだと思います」

 バッティングの状態の良し悪しに関係なく、日々の積み重ねで体に染み込ませ、磨き上げてきたスイング軌道で「来た球」を確実にとらえる。打席での構え、ピッチャーと向き合った時のフィーリングは大切だ。

 ただ、スイングとなれば、いい意味で「無」の境地で相手と対峙したい。無論、そこまでのプロセスは重要で、圧倒的な練習量と準備力があるからこそ、恐れることなくバットを振れる。

 準備はできた。あとは、打つだけだ。自然体で打席に立ち、あらゆる要素を備えた高度なバッティングこそが、「打者・大谷」が理想とするものだったのかもしれない。

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