【プロ野球】守備の名手・辻発彦が選ぶ現役ナンバーワンのセカンド&1番打者&2番打者は? 聞き手・上重聡 (3ページ目)
【打順を組むうえで考えること】
上重 確かにピッチャーにかかるプレッシャーは全然違います。続いて2番打者もお伺いしたいのですが、最近は"2番最強"説もありますよね。
辻 2番に限らず、それぞれの打順での役割って絶対にあるので、一概には言えないと思います。クリーンアップには長打のある選手、打力のいい選手がそろっているわけで、その前に得点圏に進めるかが重要です。いろいろな小技ができるとか、2番にはそういう選手が必要だと思いますし、僕はそうやって(チームを)作っていました。
ただ、僕が西武で監督として(2018年、19年と)2年連続リーグ優勝した時は、クリーンアップがふたつあるような(強力)打線だったので、そういうのはあまり必要なかったんですけどね。
上重 山賊打線ですね。では、セカンド、1番打者に続いて、現役選手で一番評価の高い2番は誰でしょう? 答えづらいとは思いますが。
辻 阪神の中野選手にしましょう。
上重 阪神の1番・近本光司選手、2番・中野選手の並びっていうのは......。
辻 相手は嫌だと思いますよ。簡単にバントで送ってこないじゃないですか。粘って、カウントを作って、ランエンドヒットの形を作る。そうすると打ってもゲッツーにならない。ランナーが残る。これは脅威ですね。
上重 なるほど。簡単にひとつのアウトを取らせてくれないというところは嫌ですよね。ちなみに、1番から9番まで、辻さんがもっとも重要視するのは何番ですか?
辻 やっぱり4番だと思いますよ。4番打者を決めてから、他の打順を決めます。ちなみに、僕の監督時代は、(7番、8番に) 中村剛也選手とかメヒア選手がいたので、6番に(小技もできる)外崎修汰選手を入れると、もうひとつのクリーンアップができたわけです。そして、外崎選手をアクセントとして、ランナーがいたらバントさせるとか。昔の西武の黄金時代には、石毛宏典さんが(6番、7番に入って)バントもしていましたし、そこは似ていると思います。
上重 そう考えると、6番、7番も重要ですか?
辻 つなぎとしてはもちろん、クリーンアップのあとの6番、7番は必然的にチャンスがたくさん来るので重要なんです。だから、勝負強い石毛さんがいたんですよ。
【Profile】
辻発彦(つじ・はつひこ)/1958年10月24日、佐賀県出身。1983年にドラフト2位で西武ライオンズに入団。16年間の現役時代で複数のゴールデングラブ賞やベストナインを受賞。2017年より2022年まで6年間、西武ライオンズ監督を務めた。現在は野球解説者として活動している。
上重聡(かみしげ・さとし)/1980年5月2日生まれ、大阪府出身。PL学園時代にエースとして活躍。立教大では東京六大学リーグで史上ふたり目の完全試合を達成。卒業後の2003年にアナウンサーとして日本テレビに入社。2024年3月末をもって同社を退社し、現在はフリーアナウンサーとして活動している。
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