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【プロ野球】中日で頭角を現したルーキーコンビを今中慎二が分析 負けが先行するエース髙橋宏斗は「一本立ちしないと」 (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

【エースの髙橋は「もっといいパフォーマンスを発揮できる」】

――ルーキーが奮闘している一方で、5勝9敗と負けが先行しているエースの髙橋宏斗投手の状態はいかがですか?

今中 最近は抑えていますが、シーズン全体で見ればよくないと思います。本来の力を考えれば物足りない印象です。真っすぐがよくないんですよ。本人もそれなりに考えてやっているんでしょうけどね。

 試合を壊さない部分はいいのですが、彼の場合はもっといいパフォーマンスを発揮できるはず。勝ち負けは打線との兼ね合いもありますけど、ボールの質という点では、まだまだ高める余地はありますよ。それができて、仮にクライマックスシリーズに出られるとなったら、短期決戦で彼のようなピッチャーは脅威になるはずです。

――ここ数試合は2試合で完封するなど抜群の安定感を見せています。どこが改善されたのでしょうか?

今中 (完封した)8月2日の広島戦は、あまり力感がなかったのがよかったですね。ただ、悪いなりにずっとローテーションを守っていますし、疲労なども当然あるでしょう。メンタル面では、結果が出れば乗っていけますが、悪いと一気に疲れが出ます。
 
 あと、防御率は2点台(2.70)ですが、最近は2点台がよしとされるのかどうか。両リーグで1点台のピッチャーが増えていますからね。なので、防御率うんぬんよりも、勝てるピッチングができるかどうかじゃないですか。自分の勝敗よりも、チームに勝利をもたらせるかどうかが求められていると思います。

――シーズン終盤になると、よりチームの勝敗の重みが増してきますね。

今中 独走している阪神のようなチームは個人成績を考慮するかもしれませんが、中日をはじめ、巨人、DeNA、広島もCS進出争いの真っただ中ですからね。「先発ピッチャーに勝ちをつけてあげよう」といったことは、6月まで。今の時期はやっぱりチームのために勝てるピッチングができるかどうかですよ。そうでなければ、なかなかチームは上がっていきません。

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