【プロ野球】今中慎二が語る苦境の中日に見えてきた希望 僅差の試合をモノにするため、守護神の復帰が「非常に大きい」 (3ページ目)
――ピッチャーの話に戻りますが、今年はベテランが頑張っている印象です。
今中 大野雄大(15試合先発登板、6勝4敗、防御率2.38)が頑張っていますね。それと松葉貴大(20試合先発登板、7勝8敗、防御率2.41)の存在も大きいです。特に、春先に松葉がいなかったら、今の位置にいられなかったと思いますよ。
ただ、ベテランに頼らざるをえない状況であることも事実。現在の先発ローテーションに誰かが食い込んでいくと面白いですが、今はそういうことを期待できるピッチャーがいません。そんなに余力があるチームではないですから。
――今季加入したカイル・マラー投手(14試合先発登板、3勝6敗、防御率3.46)はいかがですか?
今中 それなりに試合を作っていますが、ランナーが出るとドタバタしますし、外国人ピッチャーならではの課題はありますよね。ボール自体はなかなかいいと思いますし、先発ローテーションに入っても全然おかしくはないです。日本の野球を1年経験すると慣れると思うので、本領を発揮するとすれば来年じゃないですか。来年もいれば、の話ですけど。
先発では髙橋宏斗が勝ち始めましたし、リリーフでは松山が帰ってきました。ピッチャーを中心として守りの野球で、僅差の試合をいかにものにできるかがポイントになると思います。
(後編:今中慎二が説くCS争いのために必要な「勝負」 今はめったに見ないリリーフの3連投も「やってみる価値はある」>>)
【プロフィール】
◆今中慎二(いまなか・しんじ)
1971年3月6日大阪府生まれ。左投左打。1989年、大阪桐蔭高校からドラフト1位で中日ドラゴンズに入団。2年目から二桁勝利を挙げ、1993年には沢村賞、最多賞(17勝)、最多奪三振賞(247個)、ゴールデングラブ賞、ベストナインと、投手タイトルを独占した。また、同年からは4年連続で開幕投手を務める。2001年シーズン終了後、現役引退を決意。現在はプロ野球解説者などで活躍中。
著者プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。
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