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緒方孝市が語る広島の巻き返しポイント 若手野手たちには厳しいゲキ「必死にやるだけでは一軍の場合はダメ」 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――中﨑投手は37試合を投げ、防御率1.72(8月4日時点。以下同)。今後の起用法にも注目ですね。

緒方 5、6回に投げさせたり、7、8回に準備させておいたり、といった幅広い使い方では、1試合はよくても3試合、5試合と続けていくのは選手としては難しいんです。そこは割り切って、「このイニングは絶対に中﨑に任せる」などと決めるのもひとつの手段だと思います。

 今季、あまり状態がよくない栗林良吏とテイラー・ハーンは、投げるイニングを前倒ししたり、僅差で負けている試合などで投げさせるとか。ただ、そこでよくなったから「うしろへ戻そう」とか、また打たれたから「前で投げてもらおう」とか、あれこれ変えないほうがいい場合もあります。「相手の打順に合わせて」「ピッチャーのコンディションを見て」などと言えば、言葉の響きはいいのかもしれませんが、なかなか難しいです。

 リリーフ陣を整備してリードしている試合をしっかりと勝ち切ることができるか。大きく負け越した7月のように、終盤の大事なところで追いつかれる、ひっくり返される試合をしていると、巻き返すどころかズルズル落ちていってしまいます。

【ベテランと若手、それぞれに期待すること】

――ほかに巻き返しのポイントはありますか?

緒方 ベテラン勢の頑張りでしょうね。チームが苦しい時期は、経験のあるベテランが要所要所で活躍してくれると本当に助かるんです。秋山翔吾にしても菊池涼介にしても、スタメンで出られる力はあるにせよ、毎試合出るとなると体力的に難しいものがあります。現状、若手にチャンスを与えているチーム事情のなか、大事な場面で使われると思いますから、そこで力を発揮してほしいですね。

 ファームでは堂林翔太や田中広輔、今季一度も一軍に上がっていない松山竜平。こういったベテランが、例えばひと振りであっても、ワンプレーであっても、チームに流れを持ってくるような働きをしてくれればなと。そういったことが、後半戦で巻き返していくためのポイントになるかもしれません。

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