ロッテ・寺地、DeNA・松尾、中日・石伊 伊東勤が球界の未来を担う「打てる捕手」候補の3人を分析 (3ページ目)
── DeNAはベテランから中堅、若手といい捕手が揃っていますね。
伊東 首脳陣もうれしい悩みですよね。私は、自分がそうだったので個人的には「捕手固定」の考えですが、今のDeNAは山本をメイン捕手として起用しつつも、松尾もしっかり育てている。高いレベルで切磋琢磨して、技術を高められるいい環境だと思います。そして、いざという時は安定感のある戸柱がいる。
── 今後、松尾選手に望むことは?
伊東 今シーズンはここまで阪神が独走していますが、Aクラスをかけた争いは熾烈を極めそうです。昨年、シーズン3位から「史上最大の下剋上」で日本一を果たしたDeNAもこのまま引き下がるわけにはいかない。シーズン終盤にかけてチーム力を上げてくるでしょうし、そのなかでどれだけマスクを被れるか。真価を問われるシーズンになることは間違いないです。
6月11日の楽天戦で5打数5安打を記録した中日・石伊雄太 photo by Koike Yoshihiroこの記事に関連する写真を見る
【ルーキーだけど経験は豊富】
── 伊東さんが2019年から3年間ヘッドコーチを務めた中日でも、フレッシュな捕手が出現しました。石伊雄太選手です。
伊東 近大高専から近大工学部、日本生命を経てプロ入りしたように、即戦力としてもともと高い評価を得ていました。社会人時代は、日本生命出身の福留孝介に打撃を指導されたらしいですね。
── 思いきりのいいスイングで、強い打球を飛ばします。
伊東 6月11日の楽天戦では1試合5安打をマークしています。なかなかできることではないです。
── 強肩でもあります。
伊東 遠投115メートル、送球速度147キロ、二塁送球1.8秒らしいですね。社会人も名門出身ですから、そのあたりは鍛えられていますし、ルーキーとはいえ経験豊富な捕手だと思います。
── リード面はいかがですか。
伊東 7月2日のDeNA戦で、同じくルーキーの金丸夢斗がプロ入り最長となる7回、118球を投げるも、初回の3失点が響いて敗れました。金丸が「初回からもう少し緩急を使えばよかった」とコメントしていましたが、一軍で試合に出続けることで学ぶことはたくさんあります。リードにしても、もっとよくなっていくと思います。
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