ロッテ・寺地、DeNA・松尾、中日・石伊 伊東勤が球界の未来を担う「打てる捕手」候補の3人を分析 (2ページ目)
── 田村選手も松川選手も寺地選手も、高校から入団して1、2年目で試合に出ていますが、難しいと言われるポジションでいきなりマスクを被れるものでしょうか。
伊東 起用する首脳陣も勇気がいると思います。ただ、私がロッテの監督1年目(2013年)に入団してきた田村の1、2年目より、寺地はすでに多くの試合に出ていますね。
── 伊東さんもプロ入り後、早くから試合に出ています。
伊東 とにかく多くの投手の球を受けることが大事です。そして投手の長所を引き出すために、自分から質問に行って、先輩投手とのコミュニケーションを図ることです。私はベテランの高橋直樹さんからいいアドバイスをいただきました。プロ1年目(1982年)に33試合、2年目に56試合に出場しました。そして2年目に日本シリーズに出場し、自信を得て、3年目から100試合以上に出場しました。
3年目の今季、プロ初本塁打を記録したDeNAの松尾汐恩 photo by Koike Yoshihiroこの記事に関連する写真を見る
【昨季の日本シリーズの経験が大きい】
── DeNAの松尾汐恩選手はいかがですか。
伊東 強肩・強打の捕手として、大阪桐蔭時代は甲子園で活躍。ドラフト1位の鳴り物入りでプロに入ってきました。その実力を、プロ2年目の昨年から遺憾なく発揮しています。球団の思惑どおり、順調に育っていると思います。
現在、DeNAや巨人は好捕手を複数人抱えています。DeNAは、昨年ベストナインとゴールデングラブ賞を獲得した山本祐大、クライマックス・シリーズのMVPに輝いた戸柱恭孝、ほかにもベテランの伊藤光がいます。そんななか、松尾は昨年の日本シリーズに出場して自信を深めました。
── プロ3年目の今季、すでにキャリアハイの試合数を更新し、プロ初本塁打も放ちました。
伊東 たとえば5月3日の巨人戦、1試合3つの盗塁を刺し、打っても決勝の犠牲フライを放ち、トレバー・バウアーの完封勝利に貢献しました。また、5月16日のヤクルト戦は5番で出場し、本塁打を含む4安打3打点。さらに7月3日には、プロ4年目の小園健太を好リードでプロ初勝利に導きました。しっかり経験を積んでいますし、さらなる飛躍が期待できますね。
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