【中畑清×篠塚和典】巨人・阿部監督の2年目を「評価していい」 チームの緊張感、新加入選手について語った (2ページ目)
篠塚 戸郷も二軍に落とされたことで緊張感が生まれたと思いますし、復調すれば、チームとして一段階レベルアップした戦い方ができるようになると思います。再び信頼を得られるようなピッチングをしていかないといけませんね。
中畑 あと、期待されている若手の浅野翔吾が伸び悩んでいたりもするけど、それを感じさせないよね。これはやっぱり、甘えを許さない監督の采配がチームの体質を改善しているからじゃないかな。ダラけた選手を許さないスタンスがいいなと。
たとえば、エリエ・ヘルナンデスは昨年まではよかったけど、今年は少し怠慢プレーが多い。全力でプレーをしてないことが明確にわかる部分があったから、阿部監督はあっさり二軍に落としましたからね。なかなか、そういう選手起用って簡単にはできないんです。
篠塚 ピッチャーも無理な使い方をしていませんよね。ライデル・マルティネスにも絶対に3連投をさせませんし、長いシーズンを見据えた選手起用を徹底しています。
中畑 肝が据わっているし、そういう所作を感じさせる監督だよな。頼りになると評価していいんじゃない?
篠塚 そうですね。ここまでの戦いぶりについては評価していいと思います。
【新加入の甲斐は「期待に十分に応えている」】
――先ほど挙げた山﨑投手と井上投手は、何がよくなりましたか?
中畑 山﨑の課題はスタミナだけでしたが、ここまではそれをカバーできています。低めのコントロールもすばらしいし、投げるたびに成長していますよね。隙がなくなってきています。5試合無失点を継続したけど、それが(5月7日の阪神戦で)途切れましたからメンタルは少し心配です。緊張感が持続していい形になっていたのが、どう変化するのか。
一方で、井上はまずメンタルがすばらしい。覚えているのは......昨年のソフトバンク戦(5月30日)だったかな。2番手で4回から登板して、7回までの4イニングをパーフェクトに抑えた。それから覚醒して、マウンドで自信のようなものを感じさせるようになったんです。それと、抜け球がない。球速は140キロ台後半ですが、それ以上の球威を感じます。このまま成長していけば、おそらく日本を代表するサウスポーになるんじゃないですか。
篠塚 菅野智之が抜け、戸郷が勝てないなかで、2人の成長は大きいですよね。それと、新加入の甲斐拓也の攻守にわたる活躍も大きいんじゃないですか。
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