【プロ野球】勇気ある決断が導いた日本一 ベイスターズの守護神・森原康平が貫いた信念 (2ページ目)
── なるほど。森原選手としてはコンディションを考慮し、30セーブという"花"よりも、日本一という"実"を選んだということですね。
森原 はい。かなり悩みましたけど、ベイスターズには移籍で獲得していただいた恩義があるので、最後は僕にできる最善は何なのかを考えての決断でした。正直、これがもっと若かったら、無理してでも30セーブは狙っていたと思います(苦笑)。ただ、今の立場を鑑みればポストシーズンに賭けてみたかったという思いも強かったし、ウチのチームならば行けるんじゃないかって予感もありました。
【信念を貫いた先に見えた景色】
── とはいえ、個人成績は一生残るものです。登山で言えば、山頂がそこにあるにも関わらず悪天候で引き返すといった勇気ある撤退というところですね。決して無理はしなかった?
森原 はい、チームのメンタルパフォーマンスコーディネーターの遠藤(拓哉)さんともそんな登山の話をしましたね。30セーブは選手である以上、また挑戦できるはずだとポジティブに考えるようにして気持ちを収めました。何より思うのは、あの決断をしたってことに価値があるということです。結果がどうであったとしても、自分の信念に基づいて行動ができたことが、後々きっと生きてくるのではないかと思っています。
── 結果、CSでは4試合で投げて4セーブ、日本シリーズでは胴上げ投手になりました。
森原 そんなこともあったので、CSで優勝した時も、日本一になった時も、僕は「報われました」というコメントを残したんです。結果、勝って終わることができて正解だったんですけど、こればかりはわからないことですからね。野球の神様はいるんだなって思いましたよ。
── ポストシーズンで一丸となり頑張ったブルペン陣ですが、帯同されていて何か感じたことはありましたか。
森原 これ以上ない団結力を持って戦えたと思いますね。僕個人のことで言えば、オフの自主トレからともにやってきた(坂本)裕哉が一番投げていたことですね(CSで6試合、日本シリーズで4試合)。完璧に抑えていたし、裕哉が頑張っているからオレも頑張ろうって、ここ一番でいい刺激になりました。
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