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川崎憲次郎が振り返る2人の名将 「野村ミーティングは講演会」「落合監督はグラウンド外では饒舌だった」 (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

── 川崎さんは具体的にどんなふうに叱られたのですか。

川崎 私が入団2、3年目の頃(2年連続2ケタ勝利)は、インコースを狙うもコントロールミスが多くて、本塁打も四球も多かったんです。よくノムさんは「どういうつもりで投げているんだ」「どういう練習をしているんだ」と。神宮球場での試合前練習の時に打撃ゲージの後ろに立たされたまま、2時間ほど叱られたことがありました(笑)。

 ノムさんは感情的にはなりませんが、あれはお坊さんのありがたい説法と同じですね。とにかく長い......。一度捕まったら、最低でも30分。私はよくホームランを打たれたので、けっこうターゲットにされました。

── 基本、野村監督は話をするのが好きなのですね。

川崎 そうです。だから"野村ミーティング"は、講演会でしたね(笑)。

【野村ミーティングノートの中身】

── その"講演会"のなかで、印象的だったテーマを教えてください。

川崎 「野村ミーティングノート」は、今読み返してみても、とてもいいことが書いてあるんですよ。それを今さらながら、いや、今だからこそ実行している最中です。なかでも「奇跡を起こす3つのポイント」という話があったんです。

 まず1つ目が、初めてのことを何かやってみる。2つ目が、古いものにしがみつかない。そして3つ目が、知らない人に話しかけてみる。実は今、この3つ目を実践しているんです。現役時代はプロ野球選手としてのプライド、情報漏洩防止もあって、ファンや一般の方との接触を極力避けていた部分がありました。しかし今は、現役引退後に就任したロッテの投手コーチを退いてからも10年になります。

── 道行く知らない人に声をかけているのですか?

川崎 いえ、SNSですよ。「自分で何か変わらなきゃ」と思い、フェイスブックを始めて、コメントを返すようにしたのです。いつ花が咲くのかわかりませんが......。ノムさんはヤクルトの監督就任時に「1年目に種を蒔き、2年目に水をやり、3年目に花を咲かせてみましょう」と言って、92年に優勝を成し遂げました。また「行動が変われば運命が変わる」とも言っていました。だから、SNSをやることで野球と関係のない業界の方と話をするとまったく違う知識が入ってくるし、とても新鮮です。

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