高木豊がセ・リーグ球団の現役ドラフトを評価「まさか、この選手が出てくるとは」という選手を獲得できたのは? (3ページ目)
――ヤクルトは広島から矢崎拓也投手(29歳)を獲得。昨季はリーグ4位の24セーブをマークし、今季は26試合に登板していました。
高木 まさか、この選手が出てくるとは思いませんでしたね。今年もけっこう投げていますしね。ヤクルトはピッチャー陣の層が薄いですから、経験値があって計算できるピッチャーが獲れたのは大きいと思います。
ただ、開幕からいきなり抑えというのはどうなのかなと。やはり広島の時と同じように7、8回で起用し、抑えのピッチャーが疲れてきたら矢崎に委ねるという形じゃないですか。抑え候補なのかはわかりませんが、新外国人のピッチャーも獲得していますし。
――中日は楽天から伊藤茉央投手(24歳)を獲得しました。今季の一軍での登板は6試合にとどまりましたが、右の変則でシンカーを武器にしているピッチャーです。
高木 期待できると思いますよ。サイドハンドという点で希少で面白いですし、シンカーはかなりの落差とキレがありますからね。田島慎二が引退して、その代わりといったら変ですが、変則ピッチャーを獲れたのは大きいです。先発はないと思いますが、ピッチャー陣の状況にもよるでしょう。本人が「長いイニングもいける」と言えば可能性はなくはないと思います。
(パ・リーグ編:「チャンスをもらえれば覚醒する可能性が高い」選手は?>>)
【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)
1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・ 横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。
■元プロ野球選手のYouTuberのパイオニア
著者プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。
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