名手・荒木雅博が語る 山川穂高のGG賞初選出の妥当性「及第点どころか、ファーストミットの使い方など一級品」 (3ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

── 次点は周東佑京選手(ソフトバンク)でした。

荒木 阪神の近本光司選手同様、俊足をいかんなく発揮して、捕れるかどうかの際どい飛球に余裕を持って追いついていますよね。ピッチャーとすれば、守備範囲の広い外野手がいるとラクですよね。

── 最後は万波中正選手(日本ハム)です。

荒木 7月14日の日本ハムとソフトバンクの試合で、ライト前ヒットで本塁を狙った二塁走者の周東選手を万波選手がレーザービームで刺しました。「これぞプロ!」というバックホームでした。送球で走者をアウトにする「補殺」はリーグ1位の11個。ほんとにスケールの大きい外野手ですよね。

── パ・リーグ全体を見渡していかがですか?

荒木 シーズンを独走したソフトバンクから最多の5人。リーグ3連覇から5位に沈んだオリックスは、昨年の3人からゼロに。なんとなくですが、GG賞の人数と順位が連動しているような気がしないでもありません。勝利に貢献したという意味で、シーズンの成績上位のチームから選ばれやすいのですかね。

── 複数のポジションを守るため、そのために規定試合(野手は全試合の3分の2、捕手は同2分の1、投手は規定投球回と同数以上)に達せずに受賞を逃す選手がいます。メジャーのような「ユーティリティー枠」を導入するのはいかがですか。

荒木 逆に、1試合に複数ポジションを守って、その数を増やしていけば規定試合に達します。守備が本当にうまい選手を選んでいくわけです。個人的には、大谷翔平選手(ドジャース)が投手とDHをやるように、たとえば内野と外野を守って「二刀流」のGG賞獲得選手なんて、夢があっていいと思います。


荒木雅博(あらき・まさひろ)/1977年9月13日、熊本県生まれ。熊本工高から95年ドラフト1位で中日に入団。02年からレギュラーに定着し、落合博満監督となった04年から6年連続ゴールデングラブ賞を受賞するなど、チームの中心選手として活躍。とくに井端弘和との「アラ・イバ」コンビは中日黄金期の象徴となった。17年にプロ通算2000安打を達成し、翌18年に現役を引退した。引退後は中日のコーチとして23年まで指導し、24年から解説者として新たなスタートを切った
[牧野1]ストレートに褒めているので、たまには以下の感じでもいい気もしますが(笑)いかがでしょう?

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