【プレミア12】井端ジャパン逆転勝利! 隅田と坂倉のバッテリーが明かす相手の反撃を断ち切った「魔球」の使い方 (2ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke

 なかでも印象的だったのが、ストレートへの強さだった。2対2で迎えた5回表には隅田を攻め立てて二死三塁のチャンスをつくると、代打ユン・ドンヒが真ん中低めに甘く入ったストレートを捉えて左中間にタイムリー二塁打を放った。

「(隅田の)ミスはミスなんですけど、あそこで打つバッターもすごいと思います。やられたなって感じました」

 坂倉がそう話したように、韓国打線は甘く入ったストレートを逃さなかった。

【想像以上に強力だった韓国打線】

 隅田だけではない。先発の髙橋に対して初回、1番ホン・チャンギと4番ムン・ボギョンがいずれもストレートを打ち返してチャンスメイク。2回には1番ホン・チャンギがセンター前タイムリーで先制点を呼び込んだ場面も、仕留めたのはストレートだった。

 戦前の予想以上に韓国打線は強力で、坂倉はマスク越しに「ちょっと焦ってしまいました」と明かした。

「振りが強いなっていう印象を、昨日のキューバ戦を見て受けたんですけど、(実際に対戦して)真っすぐに対してコンパクトに強いスイングをしてくるなっていうイメージを、今日一日でより思いました」

 先発の髙橋が4回までに78球で7安打、2失点と波に乗れなかったのは、韓国打線がストレートを捉えてきたことに加え、決め球のスプリットによる影響もある。坂倉が続ける。

「真っすぐ自体はすごくよかったと思うんですけど、スプリットが落ち切らなかったり、ばらつきがありました。真っすぐがよくても思ったより弾かれてしまったので、苦しくなりました。途中からカーブ、カットボールも織り交ぜて最少失点でいけたのはよかったと思います」

 もちろんデータをインプットして臨んだが、肌を合わせた韓国打線は想像以上に手強かった。さらに髙橋のデキも踏まえ、坂倉は3回からナックルカーブとカットボールを増やした。そして4回、高めに甘く入ったカットボールを韓国の7番パク・トンウォンにレフトスタンドへ突き刺されたのだ。

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