【プレミア12】井端ジャパンが連覇へ好発進! 流れをつかんだ「3人で1点」の電光石火の攻撃 (3ページ目)
攻撃では桑原と小園が効果的な働きを見せた一方、投手陣で光ったのが7回に3番手で投入された藤平尚真(楽天)だった。
初先発で5回まで無失点に抑えた井上が6回、先頭打者ウルリッヒ・ボヤルスキーに本塁打を打たれ、1番・トラビス・バザーナに鋭いライト前安打を許して降板。2番手の横山陸人(ロッテ)は4番リクソン・ウィングローブに痛烈な本塁打をセンターに浴びた。
5点を先行してペースを握ったなか、2本塁打を許して2点差に。嫌な流れで迎えた7回、3番手で送り出されたのが藤平だった。
「自分には流れを変えるピッチングを求められていると思います。止めることもそうだし、持ってくることも中継ぎの仕事だと思うので、そこは意識してマウンドに上がりました」
藤平は宮崎合宿中から「中継ぎの仕事」と口にすることが多くあった。試合終盤に投入され、どうやってチームの勝利に貢献できるか。嫌な展開で迎えた初戦のオーストラリア戦では7回にマウンドに上がると、三者三振という最高の結果で応えた。
「めったに取れることじゃないので、一番いい流れだと思います。さっき監督に『流れを止めてくれてありがとう』っていう言葉をかけられて、本当にうれしく思いました。そこは自分でも本当に意気に感じてやっていきたいなと思っています」
独特な緊張感の漂う国際大会初戦。結果を見れば9対3で、8イニングの攻撃機会のうち6度得点を奪った。
それでも決してラクな展開ではなかったが、攻守の勝負どころを託された選手たちがしっかり仕事を果たした。プレミア12の連覇に向け、侍ジャパンは大きな1勝を手にした。
著者プロフィール
中島大輔 (なかじま・だいすけ)
2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。
フォトギャラリーを見る
3 / 3