【ドラフト2024】佐々木朗希のメジャー移籍を見越し1位は即戦力投手 2位は「中村奨吾の後継者」を! (3ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko

 ロッテには「左腕獲得」というテーマがいつもついて回るが、今季も現場で戦っている首脳陣はその不足を感じたに違いない。

 先発では、小島和哉が12勝10敗、防御率3.58と"奮投"したが、彼に続くローテーション左腕はC.C.メルセデス(4勝8敗、防御率2.71)だけにとどまった。リリーフ陣も、4年目左腕・鈴木昭汰が51試合に登板し27ホールド、防御率0.73と孤軍奮闘の活躍を見せたものの、続く者がいなかった。

 今年の学生球界には、知名度は高くないが、たしかな実力を持った左腕がいる。

 佐藤爽(札幌山の手→星槎道都大/投手/176センチ・77キロ/左投左打)は、昨年、今年と大学選手権大会で2度の"炎上"はあったが、札幌大学リーグでのスピンが効いたストレートとチェンジアップの緩急は光るモノがある。

 一方、徳山一翔(鳴門渦潮→環太平洋大/投手/177センチ・86キロ・左投左打)は全国の大舞台で度胸満点のピッチングを披露。強豪相手に再三好投を見せてきた実績を持つ。今年春のリーグ戦は、ヒジ痛で登板を控えていたが、秋のリーグ戦で復活。スライダーとカーブ、チェンジアップと多彩な変化球を駆使し、持ち味の四球を出さない安定感ある投球を見せた。

 将来に備えて、今のうちからファームでも左腕を育てておきたい。

 ならば、昨年夏の甲子園で文星芸大付に打ち込まれたが、素質の片鱗を見せた河野伸一朗(宮崎学園/投手/190センチ・77キロ/左投左打)。日本では大成した前例がないと言われている超長身左腕だが、河野はボディバランスのいい身のこなしと、スライダー、チェンジアップと操る器用な指先感覚を持っている。今年は足首やヒジの故障で実戦登板がなかったが、恵まれた素質に変わりはない。

著者プロフィール

  • 安倍昌彦

    安倍昌彦 (あべ・まさひこ)

    1955年、宮城県生まれ。早稲田大学高等学院野球部から、早稲田大学でも野球部に所属。雑誌『野球小僧』で「流しのブルペンキャッチャー」としてドラフト候補投手のボールを受ける活動を始める。著書に『スカウト』(日刊スポーツ出版社)『流しのブルペンキャッチャーの旅』(白夜書房)『若者が育つということ 監督と大学野球』(日刊スポーツ出版社)など。

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