パ・リーグのFA戦線を高木豊が分析 「Cランク」でも注目の投手、ソフトバンク甲斐拓也などはどうなる? (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

【「環境を変えたら......」と期待の選手も】

――先発ではロッテの西野勇士投手もFA権を取得済ですが、いかがですか? 今季は自己最多タイとなる9勝を挙げました。

高木 変化球を散らしながら打たせてとる術を心得ているというか、先発としての円熟味が増していますよね。仮に手を挙げれば、獲得に動く球団は出てくるはずです。ヤクルトもそうなのですが、DeNAにとってはかなり魅力的な選手だと思いますよ。

 特に右の先発がいないんです。DeNAなら本来は大貫晋一や京山将弥が頑張らないといけないのですが、なかなかピリっとしないので外部からの補強も必要なのかなと。西野なら、DeNAでもヤクルトでも先発の2番手、3番手に入る力があると思いますし、どちらのチームでも右のエース級として扱ってくれると思います。この2チームならロッテと同じ関東が拠点で大きく動かなくてもいいですしね。あくまで本人がFA権を行使した場合の話ですが。

――楽天の田中和基選手、日本ハムの石井一成選手もFA権を取得。特に田中選手はここ数年出場機会が少なくなっていますが、ともに30歳で、まだ若いです。どう見ていますか?

高木 田中はもう少し早い時期だったらよかったと思います。スイッチヒッターですし走攻守揃っていて面白いなと思っていたのですが、ここ数年はもったいない選手のひとりになってしまったなと。新人王を獲ったシーズンなんかは20本近く本塁打も打っていましたが(2018年:打率.265、18本塁打、45打点、21盗塁)、その後に故障の影響もあってか打てなくなりましたよね。

 それでも、「環境を変えたらなんとかなるんじゃないか」という期待感もある選手なんです。スピードもありますしね。仮にFA権を行使して獲ってくれるチームがあったとして、代走や守備固めでスタートして少ないチャンスをものにしつつ、バッティングの感覚を取り戻していけるかどうかですね。近年の状態だと他のチームに移籍したとしても、レギュラーとして入っていくのはなかなか難しいでしょうから。

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